浦和レッズ、堀前監督の成績不振理由考察

4月2日に契約解除となった堀孝史前監督

2017シーズンには、シーズン途中にペトロヴィッチ監督解任後にコーチから昇格しACL優勝を成し遂げたものの、Jリーグでは7位。

2018シーズンは、堀監督自身初となるシーズン最初からチーム作りを任され、どの様なアプローチでどの様なチームを作り上げるのかと不安と期待を抱いていました。




堀監督の目指したスタイル

シーズン途中から監督を任された2017シーズンは、ペトロヴィッチ前監督の元で乱れた守備のバランスを4-1-4-1システムで整えるアプローチを取りました。

それは攻撃時の迫力不足を招く結果となってしまいましたが、懸念だった守備面での安定感はある程度取り戻していました。


そして2018シーズン。

堀監督は、4-1-2-3システムを採用。
左SBの宇賀神友弥選手を攻撃時にDHの位置にポジショニングさせるマンチェスター・シティのスタイルを取り入れました。

堀監督のチーム作りの特徴

4-1-2-3システムを採用した浦和レッズでのスタメンは
GK
西川周作
DF
遠藤航、マウリシオ、槙野智章、宇賀神友弥
DH
青木拓矢
CH
長澤和輝、柏木陽介
右WG
マルティネス
CF
興梠慎三
左WG
武藤雄樹

このシステムとスタメンの顔ぶれを見て思う事は、堀監督には自身の理想とするシステム・戦い方がベースにあって、そこに選手を当てはめていったという事です。

システムベースでのチーム作りの弊害

堀監督流4-1-2-3では、両サイドのWGをサイドに常に張らせる事により相手DFのポジションを横に広げさせ、空いた敵CBとSBの間をCFとCHが突くという中央突破狙いのスタイル。

しかし、選手の特性に適したチーム作りではなくシステムありきでのチーム作りの為、選手が適材適所ではありませんでした。


遠藤航選手の右SB起用は、守備面だけを考えれば安定しますが、元々本職のポジションではない為、右サイドからの攻撃は右WGのマルティネス選手の突破(主にサイドをえぐってセンタリング)だけに頼りがちでした。

また左WGの武藤雄樹選手は、本来はシャドーストライカーとして起用されてこそ本領を発揮出来る選手。
その為、左サイドでボールを受けても、サイドを突破してのセンタリング・中に切れ込んでのシュート共に彼の得意なプレーではない為、相手に脅威を与える事が出来ていませんでした。


その為、例えボールポゼッション率は高くなったとしてもチームとしての攻撃が機能せず、良い形での攻撃も、昨シーズンの課題だった興梠慎三選手の孤立も解消されず、得点力不足に陥り結果が出ない悪循環のまま堀孝史監督は契約解除となりました。

今後のクラブへの不安

4月2日に発表された大槻毅育成ダイレクター兼ユース監督の暫定監督就任

今後、クラブは国内外を問わず経験者をターゲットとして後任監督を探していく方針との事です。


ですが、浦和レッズは今後クラブとして何処を目指しているのでしょうか

ペトロヴィッチ前監督の元、攻撃的なサッカーを目指していました

優勝という結果を手にする事は出来ませんでしたが、クラブとして方向性を持ちチームも成熟していきました。

しかしながら昨シーズンは、成績不振によりシーズン途中に堀孝史前監督が就任した。

ここまでは昨シーズンの成績を踏まえれば致し方ない決断であったとは思います。


しかし、本来的には昨シーズン終了後にクラブとして定まっていた攻撃的なサッカーという方向性を継続していける新監督を就任させるべきでした。


ACL優勝という望外な結果だけを見て堀孝史前監督を続投させた。


この社長とGM(訂正:強化本部長)の判断の甘さと責任・クラブとしての中長期的計画性のなさは問われて然るべき。
※2018年4月5日22時14分訂正

※2018年4月6日19時30分追加
2018年4月6日、浦和レッズはチームの強化体制を変更。
立花洋一副社長が強化部門を統括、強化本部長は離れ、再設したプロ契約GMに前浦和レッズGMだった中村修三氏が就任


今シーズンは、ワールドカップによる中断までの過密日程やシーズン途中という事を加味すると、このタイミングで責任を問うのは難しいと思います。


ですが、今シーズン終了後には、2シーズン続けてのシーズン途中での監督交代を招いた責任と中長期的なクラブビジョンのなさに対する責任を首脳陣は問われるべきだと思います。

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浦和レッズとリバプールが特に大好きなサッカー好きです。 実際にプレーはしません(笑) 見る専門ですが、現地観戦は久しくしていません。 また見に行きたいと思ってはいます。 好きなスタジアムは駒場スタジアム、アンフィールド、カンプ・ノウ、ボンボネーラ。 好きなプレーヤーは、ロベルト・バッジォ、スティーブン・ジェラード、シャビ。 好きなリーグは、イングランドのプレミアリーグ。